2020年4月に始まった東京都の管理状況届け出制度。今年3月末時点で届け出対象1万1393件中1万820件が届け出を行い、届け出率は95・0%に達した。前年同日比で155件増。7月16日の東京都マンション施策推進会議で都が今年3月末時点の届け出数や要届け出マンションの概要などを報告した。資料は都のマンションポータルサイトで公表している。
同制度は、届け出から「5年以内」に更新を行う決まりで、今年は20年の制度開始以降初めての更新時期に当たる。
都マンション課によれば更新対象の管理組合らに「随時(更新の)案内を郵送しているところ」だ。対象数は「全体数として整理していない」(同課)が、21年に公表したデータでは同年3月末時点の届け出件数を約8500件としている。
1983年以前竣工(しゅんこう)・6戸以上が「要届け出マンション」として届け出義務がある。
同資料によれば、管理組合の形態は団地型が14・5%。「団地管理組合でない」が77・4%。
1棟当たりの戸数は「10~19戸」が最も多く2453件。戸数未回答の209件を除くと、30戸未満が全体の50・1%に上る(グラフ①参照)。
建築年代別では「80~83年」が4375件で40・4%(グラフ②参照)。
併設用途はおおむね43・8%が「ある」と答えた。
管理形態は自主管理が22・1%。全部委託は57・8%。
同制度は管理組合・管理者等・管理費の有無など7項目について届け出をするよう規定。このうち「無し」が一つでもあった場合は「管理不全の兆候がある」と判断される。
資料では届け出マンションにおける7項目の「無し」の割合を提示(グラフ③参照)。
7項目中「無し」とする回答があったのは届け出済み1万820件中1884件。全体の17・4%が「管理不全の兆候がある」と判断される結果となった。昨年3月末時点の同割合は17・5%で0・1ポイント縮小した。
長期修繕計画の作成率はおおむね64・2%。このうち計画期間が30年以上だったのは3割程度(グラフ④参照)。「計画なし」は28・2%。
区分所有者名簿は84・6%が「ある」と回答。空き住戸があるマンションは約3割。賃貸化割合は「20%超」が40・5%で最多。
いわゆる「旧耐震マンション」は7959棟。耐震診断実施済みは2477件。診断の結果「耐震性があった」と答えたのは37・0%。「なし」は51・2%でこのうち耐震改修を行ったのは25・6%。
設計図書は70・9%、修繕履歴は76・9%が「あり」と答えた。
他に防災訓練の実施の有無やバリアフリー・環境、地域コミュニティー形成などについても尋ねている。
防災関係では防災マニュアルがあるのは23・5%、定期的に訓練を実施しているのは28・6%。避難行動要支援者名簿がある、と答えたのは14・7%。
バリアフリーでは26・6%がエントランスをバリアフリー化。40・0%が共用廊下に手すりを設けていた。
共用部分のLED化は53・6%。二重窓や外断熱化といった開口部の遮熱性向上は9・6%、電気自動車の充電設備を設置したのは0・8%だが前回比で0・3ポイント上昇した。
お祭り・運動会・防災訓練・清掃活動など地元町会・自治会との共催事業・協力連携イベントは40・0%が「あり」と回答。