生成AIツールに質問事項を入力する片岡氏。回答を「鵜呑みにするのは危険なのでこれ(回答)を基に精査していく」と話した。セミナー・交流会には約20人が参加した
東京都荒川区は10月18日、区役所北庁舎でセミナーを開いた。一般社団法人東京都マンション管理士会城北支部の片岡忠朗氏が講演。講演後は管理組合運営・建物維持管理・防災―とテーマ別に班分けし、参加者による交流会を行った。
片岡氏は講演で生成AIを使用。参加者からの質問も交えて外部管理者方式や防災、置き配について生成AIに尋ねる体験型の講演を実施した。使用した生成AIツールは「ChatGPT」と「Gemini」。
外部管理者方式では「費用はどのくらいかかるか」と、ざっくり質問を入力すると30秒ほどで数十行の回答テキストが。
費用は「明確な全国統一の相場というものは少ないものの参考になるデータはあるので整理する」と回答し目安を提示。総戸数や築年、立地場所など具体的な条件を入力すれば「もう少し近しい見積もりレンジを探します」と答えた。
「実演」を終えた片岡氏は「生成AIの説明力は総会・理事会議事録や広報に応用できるのでは」と分析。業務の効率化で役員の担い手不足を補うなど生成AI活用のメリットを挙げた。
一方で「もっともらしい誤情報の可能性がある」「法制度や契約関係などは必ず専門家に確認してもらう」「入力した情報が(AIの)学習に使われる可能性もあるので、学習させないよう設定する」など、利用時の注意点も提示。
「これまでの人間の関係性や感情への配慮は困難」など運用上の限界も例示した上で「AIは強力なサポーターではあるが、あくまで私たちの判断を補完する存在。最終判断と責任は人が担って、上手に付き合うことが大切」と述べた。
