公益財団法人マンション管理センターは10月24日、東京・水道橋の住宅金融支援機構本店「すまい・るホール」で創立40周年記念シンポジウムを開いた。
小林利之理事長は「40周年を機にマンション管理の適正化というその使命・原点に改めて立ち返り、国土交通省、地方公共団体、マンション管理関係団体、マンション管理士等の専門家の皆さまと連携を深めつつ役職員一丸となって事業推進に一層取り組んでいく」とあいさつした。
「これからのマンション管理 二つの老いを乗り越えて」をテーマに行われたパネルディスカッションにはパネリスト5人が登壇。
同センターの小滝晃専務理事は、センターの「MⅤⅤ」(ミッション、ビジョン、バリュー)に言及。
果たすべき使命(ミッション)は「『二つの老い』時代のマンション管理の適正化と長寿命化」、目指す未来の姿(ビジョン)は「マンション管理適正化の『知恵の蔵』『連携のハブ』」、提供する価値・行動原則(バリュー)は「実践的な課題把握・課題解決への具体的貢献」だと説明した。
「建物の老い」について、香川希理弁護士は老朽化マンションの問題は各区分所有者が共用部分の所有意識を欠いていることに根本原因があると指摘。
「分譲マンションでは他人任せにできない。あなたたちの資産であり、自分自身で管理するしかない」と訴えた。
江守芙実1級建築士は建物・設備が老朽化した際の対応の進め方として▽建物の現状把握▽修繕履歴を整理▽劣化要因を分析・所有者の意向を確認▽将来計画を策定・工事を実行する─という段階的なステップを提案した。
「人の老い」について、神谷宗宏・京都市住宅政策課企画担当課長は第三者管理者方式など専門家の支援活用が重要だと指摘。ただし「主体はあくまで管理組合」との共通認識を持つことが前提とした。
また「持続可能な管理ということでは世代交代も必要かと思う。認定制度の取得など管理の見える化で、若い世代が安心して暮らせるマンションを目指してもらいたい」と話した。
瀬下義浩・一般社団法人日本マンション管理士会連合会会長は高齢化に伴う役員のなり手不足については「外部専門家の選択肢が出て来ている」と話した。
あいさつする小林理事長
シンポには約200人が参加。10月31日、センターホームページで動画を公開している

