一般社団法人マンション管理業協会(管理協)は4月14日、2024年度第4四半期終了時点の「マンション管理適正評価制度」の登録状況・評価結果集計データをまとめ、公表した。修繕積立金の「平均額」が管理計画認定制度の基準に達していなかったのは全体の19・9%。四半期データ公表後、初めて2割を切った。
今年3月31日時点の登録件数は8250件。前回の6708件から1542件増。管理協が目標に掲げた1万件には及ばなかったが、前年同日比で4070件増やし1年で登録件数を倍増させた。
8250件中最も多かったのは星4。3494件で全体の42・4%を占めた(グラフ①参照)。
全体の18・4%に当たる1518件がワンストップ申請で管理計画認定を取得した(前回比1・2ポイント増)。
「管理計画認定マンション閲覧サイト」における同日時点の認定数は2122件。7割強をカバーしている計算だ。 ◇
各評価項目の平均獲得ポイントを獲得星数別に集計した。
「管理体制」(20点満点)の全体の獲得ポイントは星5が平均19・8ポイント、星2が平均13・6ポイント。
「管理規約への規定の有無」では、管理計画認定基準の管理規約に対する規定に適合していたのは84・2%。前回比1・2ポイント増。
「管理規約の改正状況」で規定の割合が最も低かったのは前回同様「利益相反禁止規定」で81・5%(同0・8ポイント増)。
「建築・設備」(20点満点)の獲得ポイントは星5が平均19・7ポイント、星2が平均6・4ポイント。
総会承認された長期修繕計画があるのは94・2%。うち全ての要件に準拠した計画があるのは56・8%。同1・2ポイント増。
長期修繕計画における各要件への準拠状況はグラフ②参照。
準拠率が最も低かったのは、赤字計画になっているなど国土交通省の「長期修繕計画標準様式に準拠していない」で25・6%(同0・8ポイント減)。
長期修繕計画の期間は総会承認済みの7769件中7631件(98・2%、同0・2ポイント増)が30年以上。一時金の徴収予定があるのは3・9%(同0・1ポイント増)。
「管理組合収支」(40点満点)の獲得ポイントは星5が平均37・7ポイント、星2が平均12・7ポイント。
「修繕積立金の額が著しく低額でない」と評価されたのは「理由書あり」の1・9%を加えた80・1%。初めて8割を超えた。
修繕積立金の積み立て方式は「均等積み立て方式」36・4%(同0・4ポイント増)、「段階増額方式」63・6%(同0・4ポイント減)。
総会承認済みで要件に全て準拠した資金計画設定がされているケースで、計画通りに徴収できているのは段階増額方式55・9%(増減なし)、均等積み立て方式28・4%(同1・4ポイント増)。
「耐震性」(10点満点)の獲得ポイントは星5が平均9・9ポイント、星2が平均7・8ポイント。旧耐震基準は6・8%。耐震診断未実施がこのうち70・3%。耐震性に問題がなかったのは8・7%。問題があったが「改修済み」は7・5%。
「生活関連」(10点満点)の獲得ポイントは星5が平均8・3ポイント、星2が平均マイナス0・3ポイント。
何らかの防災対策を講じているのは87・4%(同0・7ポイント減)。