一般社団法人マンション計画修繕施工協会(MKS.A)は5月30日、「第15回マンションクリエイティブリフォーム賞」の審査結果を発表した。仙台市の「ザ・レジデンス一番町」、坂戸市の「若葉台第一住宅」、三郷市の「みさと第一住宅」の3点を選出した。
「ザ・レジデンス―」(築15年・29階建て、244戸)は、超高層マンションの1回目の大規模修繕。施工は建装工業。設計・監理は三菱地所コミュニティ。総工費は3億4422万円で戸当たり約141万円。
工事現場に入場する専門工事業などの作業員に対し建設キャリアアップシステム(CCUS)の加入促進を促し、運用した点が高く評価された。
仮設ゴンドラについて4種のシミュレーションを実施し採用の可否を検討した点も評価された。地域の特徴として強風が見込まれるため、風速計設置や塗料の飛散事故防止を徹底。デジタル掲示板の採用や専用アプリによる社内検査など、DX化にも取り組んだ。
「若葉台―」(築46年・2~14階建て35棟、889戸)は3回目の大規模修繕。施工は建装工業。設計・監理は宮城設計1級建築士事務所。総工費は13億8953万円で戸当たり約156万円。
これまで紙媒体に記載していた下地補修図面の作成をタブレットに切り替え、数量表作成までを連動させたほか、アプリを活用し工程写真の登録やデータの一括処理を行い省力化するなど積極的なDX化が評価された。
「みさと―」(築51年・5階建て27棟、688戸)は高経年マンション特有のスラブ下配管のスラブ上化・ユニットバス導入など給・排水設備等の改修を行った。施工は京浜管鉄工業。設計・監理はマンションライフパートナーズ。総工費は14億8485万円で戸当たり約215万円。
室内への入室工事による居住者の負担を軽減するため、荷物の移動を含めた居住空間確保のために室内工事を2工区に分ける工夫を行った。事前説明に注力し区分所有者負担となる在来工法浴室のユニットバス化が93・6%で達成された。 「みさと第一住宅」では9割以上が浴室をユニットバス化。ユニットバス化の際行う壁・床等のタイル解体作業に伴う粉じんの拡散を防ごうと粉じんを吸引するシステムも作った(写真はMKS.Aの公表資料から)
