快適な暮らしに大きく寄与 フルタイムシステム(本社東京、原幸一郎社長)が提案する冷蔵・冷凍対応の宅配ロッカーが、再配達の課題を抱える物流現場から注目を集めている。対面受け取りが前提とされてきた温度管理が必要な冷蔵・冷凍の荷物にも、利便性と効率をもたらす取り組みとして、導入を検討する動きが広がっている。
「冷蔵・冷凍品でも再配達を減らしたい」
そんな現場の声を受け、フルタイムシステムが社会的な背景に応じて注力する常温・冷蔵・冷凍3温度帯対応宅配ロッカー。特に、ドライバー不足や再配達によるCO2排出・業務負荷といった深刻な課題を抱える物流業界では、こうした宅配ロッカーの活用は、課題解決に向けた重要な一手として注目されている。
ヤマト運輸の冷蔵・冷凍品の配達サービス「クール宅急便」は37年の歴史を持つ。それまで届けることができなかった生鮮食料品を自宅や店舗に直接宅配する同サービスは物流に革命を起こした。今やEC(電子商取引)市場の拡大でその需要は年々高まりを見せている。
経済産業省の「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」によれば、食品・飲料・酒類のEC市場は前年比6・52%増の2・92兆円に達した。冷凍食品やチルド惣菜の需要拡大が市場全体をけん引している。
これから本格的にお中元シーズンを迎えるが、大手百貨店では「冷凍品」指定の商品が人気を博しているようだ。
冷蔵・冷凍品宅配市場は食品ECの成長と合わせて今後さらにその比率は高まると予想されている。
その一方で、再配達の問題が社会的課題となっている。その解決策として「置き配」の普及が進められている。分譲マンションでも標準管理規約改訂で「置き配」に関しての使用細則策定のポイントが示された。オートロック付きマンションでも置き配に対応できるさまざまなシステムが開発されている。
置き配が進化する一方で冷蔵・冷凍品は品質保存の観点から「対面受け取り」を前提としている配送会社が多く、再配達問題は解決策が見当たらなかった。
だが、フルタイムシステムの常温・冷蔵・冷凍3温度帯対応宅配ロッカーは、これまでの「常温」に加え「冷蔵」「冷凍」に対応できる仕様で、冷蔵・冷凍宅配の「確実な受け取り」を実現した。
同社では同ロッカーを「これまで不可能だったクール便の一時保管・非対面受け取りを可能とすることで、宅配効率向上と新たな受け取り体験の提供を両立。食品の鮮度を保ちながら、地域特産品のスムーズな物流やふるさと納税の利便性向上をサポートし、持続可能な物流と暮らしのインフラとして提供する」と自負する。まさに時代が求めた宅配ロッカーといえる。

