外部管理者の使命は「資産価値の維持向上」 9 27合人社セミナー 「万能薬ではない」

 講演する徳川氏。今年3月時点で合人社グループが受託管理する6041組合中約1800組合が管理業者管理者方式を導入していると報告した

  合人社計画研究所は9月27日、東京・神田駿河台の合人社御茶ノ水ビルで基礎セミナーを開いた。昨年から支店・営業所所在地で基礎セミナーを開催しており、この日は今年1月、同ビルに移転した東京本店・東京中央支店で実施した。同所での開催はこれで3回目。

  不動産コンサルなどを手掛けるペネトレイトの有地祐一社長が「コンサル目線から見た外部管理者方式の本質と今後の展望」のタイトルで講演。合人社計画研究所の徳川誠・東京中央支店長が管理組合のスマートな運営術を紹介した。

  有地氏は外部管理者の使命は「資産価値の維持向上」だと提示。「このマンションをどうしていきたいか」のビジョンを明確に示し区分所有者と合意して、それらを実現することだと述べた。

  ただ住み心地・コミュニティーへの対応は「非居住者の管理者には不得意な部分」だとし、この部分は委員会等のボランティア組織をつくるなど住民自治・主導を残し、管理者として予算を取り住民自治をしてもらう「ハイブリッド的な対応も必要ではないか」と提案した。

  「区分所有者の管理組合運営への意識低下」など、外部管理者方式のデメリットとされる点も「住民自治の部分でコミュニケーションを取っていく機会をつくることでそういったマイナスを補完していく」と話した。

  同方式は「万能薬ではない。管理の手法の一つの選択肢に過ぎない」とくぎを刺した上で「理事会方式か外部管理者方式かの一択ではなく、一定の期間だけ外部管理者方式を導入してみる『試験導入』など柔軟に考えてもよいのではないか」と言及した。

  今後については新築を中心に導入が進み、また高経年では管理組合からのニーズが増えていくことは間違いない、と指摘。導入が進むと、管理会社以外にいろいろな立場の管理者が出てきて管理組合の課題を解決する、といったところを「選挙で管理者を選ぶ、みたいな時代が来ると面白い」と展望した。 

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