総会招集が施行日前なら現行規約の規定を適用 法改正に伴う規約の見直し 手続き面の留意事項を提示

 改正法施行前後の管理規約の改正要件の整理

 ①2026年3月31日までに管理規約の改正に係る集会の招集手続きを開始する場合

  ・招集手続き→現行規約(マンション標準管理規約に準拠)の規定に従い集会を招集

   ①招集通知の発送時期…集会会日の2週間前まで

   ②招集通知の内容…会議の日時・場所・目的、議案の要領

  ・議事、決議要件等→現行規約の規定に従い議事を行う

   ①定足数…議決権総数の半数以上の出席

   ②決議要件…組合員総数・議決権総数の各4分の3以上

  備考…集会の会日が改正法施行前の場合は規約の改正議案中に「この改正は令和8年(2026年)4月1日から効力を発することとする」といった文言を加え改正法施行日から改正後の規約の効力が発生することを併せて決議する※会日が改正法施行以降の場合は必要なし

 ②2026年4月1日以降に管理規約の改正に係る集会の招集手続きを開始する場合

  ・招集手続き→現行規約(マンション標準管理規約に準拠)の規定に従い集会を招集。規約が標準管理規約に準拠していない場合(改正法に抵触する場合)は改正法の規定に従う

  ①招集通知の発送時期…集会会日の2週間前まで※緊急時に理事会承認を経て5日間を下回らない範囲で期間を短縮できる旨の規定は改正法に抵触するため、同規定に則った招集は不可

  ②招集通知の内容…会議の日時・場所・目的、議案の要領

  ・議事、決議要件等→改正法の規定に従い議事を行う

   ①定足数…組合員総数および議決権総数の過半数の出席

   ②決議要件…集会に出席した組合員およびその議決権の各4分の3以上

  備考…すでに改正法が施行されているため改正規約は即時に効力を発することとなる

 ※説明会配布資料を基に作成 10月21日、東京で始まった一連の改正法の概要を紹介する全国説明会では、改正法施行に伴う注意点の解説も行われた。

  特に区分所有法の改正で必須となる管理規約の見直しについて、改正区分所有法施行前後における、総会招集手続き、議事・決議要件等を示し手続きを誤らないよう関係者の理解を求めた。

 ◇

  国土交通省は10月17日、区分所有法の改正事項などを反映させた改正マンション標準管理規約の公表に際し、説明会同様同規約を踏まえ管理規約を改正する場合の手続き面の留意点を示している。

  改正区分所有法施行前後の管理規約の改正要件を表に示した。

  改正区分所有法は各マンションの管理規約について「改正法の規定に抵触するものは改正法の施行日以降効力を失う」(付則第2条3項)と定めている。

  今回の改正では、規約の改正などに係る集会(総会)の成立要件(定足数)・決議要件が変更されている。

  このため「これらの部分については改正法の施行日以後は現行規約の規定と抵触することとなる」と注意を促した上で、①改正法施行までに規約改正を決める総会の招集手続きを開始する②改正法施行後に総会の招集手続きを開始する-の2パターンにおける手続きを示した。

  「留意点」では、改正前の標準管理規約は総会の成立要件(定足数)を「議決権総数の半数以上」と規定していたが、改正法では規約の改正等を行う場合の「特別多数決議」についての法定要件を「区分所有者の過半数の者であって議決権の過半数」と定めていると解説。

  議決権だけでなく区分所有者の人数の要件も設けられたほか、それぞれの定足数が「過半数」とされ、現行規約の「半数以上」とは異なる点に注意が必要だと解説している。

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